無音


嗚呼きっと 世界は明日終わるんだ!
朝も夜も来ない
全部どろどろの液体になって
溶けちまうんだ

 人間の消滅したビル街
 窓ガラスが写すのは 魂を呑む青空

きっと 明日世界に溢れるのは
悲鳴なんかではなくて
最上の喜びの歌なんだ!
絶叫が脳の根底から飛び出るのだ


 コンクリートの割れ目から
 そっと覗く小さな骸骨

どかんと爆ぜる爆弾も
終わりを知らぬ自然支配主義も
欲望への本能的執着も
毒薬を舐めつつ歩む生も
何もかもが同じになる
無という唯一に還るんだ!

 命もなく
 風も大地も止んだ
 奇っ怪な直線と円の造形物の上
 青の中に浮かぶ日輪



2009以前


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